2008年4月8日火曜日

また雨....

 昨夜から嵐のような雨が続いています。肌寒く、仕事部屋の暖房器具を片付けてしまったのを後悔しています。

 週末実家へ行きました。
近隣のクリニックで自費で検査してもらっている腫瘍マーカーの結果が出ました。採血してから外注するので結果はいつも一週遅れです。
画像では若干の進行が見られたものの、CEA自体は少し下がっていました。最近は40後半の数値を行ったり来たりしています。多大な効果は見られないイリノテカンですが、病気の勢いを食い止めているくらいの効き方はしている、無治療だったらきっとこうはいかないと思う事で納得するようにしています。
 
 副作用は相変わらず辛いようです。吐き気、手の痺れ、めまいなど...。
一週間一度の投与だとようやく抜けた頃にまた次回の投与日が来てしまいます。気持ちが悪くなる、と分かっている薬を投与するストレスを考えると、「もう治療なんか全て辞めてしまいたい」と思うのも無理もありません。最近では病院の建物を見るだけで気持ちが悪くなるようです。

仮に私だったら耐えられるのだろうか、もしかしたらもうとっくに音を上げているかも知れない、と良く思います。 
母に生きていて欲しい、と願うばかりに過酷な治療を課しているのは私なのでは無いか、と思ったりもします。
母は「こんな思いをするくらいならいっそ無治療で死んでしまいたい」と言う時もあります。その度に罪悪感を覚えるようになり、今後の事は母の意志を一番に尊重して決めていくべきだと改めて思ったりします。それでもやはり目前にあるタルセバ、命がある内に認可されるかも知れないアリムタなどを試して欲しい、と思ってしまうのは私のエゴなのでしょうか。

 二年間の闘病で色々な事がありました。色々な先生のお話も聞きました。
脳転移が発覚して落ち込んだり、イレッサが想像以上に効いて大喜びしたり、肝転移が分かってまた落胆したり......。
明らかなのは病気はゆっくりと進行している事、悲しい事実ですが受け止めざるを得ません。
 
 先を考え過ぎると暗くなるので、思考をブロックするように近いスパンの事しか考えないようにする変な癖も身に付きました。
母親の看病を10年以上続けている友人がくれたメールに、「もう母には無理して頑張って欲しいとは思わない。辛い様子をずっと見て来たからますます思う。今はただ側にいて出来る事をしているのみ」とありました。自分には深い言葉でした。
 
 辛い選択ですが、無治療というのが母が本当に望む形なのだとしたら従うべきなのかも知れません。
元気な頃の母を思うと自分がどんどんと治療で弱っていくのは堪え難い事なのだと思います。もちろん無治療でいるその先を考えるとどちらが楽なのかは今は分かりませが....。

 常に病気と向き合い、治療に費やしてきた二年間、本来なら老後を謳歌出来る年齢です。
病気の事を何も知らずに元気だった頃の母を思い出すと切ない気持ちになります。でもそれはたった二年前なのです。何だか信じられません。

 弱音めいた記事になってしまいました。
このブログにコメントを下さる方々は私と状況が似た方が多く、本当にいつも励まされています。この日本のどこかに同じような気持ちを抱えて生きている人がいるのだと思うだけで救われた気持ちになります。この場を借りてお礼を言わせて下さい。

8 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いつもブログを拝見させていただいています。
私の母も、肺腺癌Ⅳ期で、イレッサ服用中です。
私も、四捨五入すると40歳で、自由業のため、似た点が多く、ブログを読んで、励まされています。

匿名 さんのコメント...

ぽんさん
気持ち痛いほど伝わります。
こちらに書き込まれる皆さん同じ気持ちだと思います。
一人じゃないよ。ぽんさん。
一緒に前を向いていきましょう。

ちびちび さんのコメント...

ぽんさん

私も母と共に闘病していると、落ち込む時が度々やってきます。
がんばってもがんばっても良い結果が出ず、何もかもがむなしく思えたり、どんなに前向きにがんばとうと思っても、本人がものすごく後ろ向きだったり。副作用で苦しむ姿を前に何もできなかったり。
少しでも、生きていてほしいとしていることが私のエゴではないか、とか。答えはやっぱりないので、いつもどうどう巡りです。

薬はやっぱり、副作用と効果のバランスで薬を決めれるといいですね。あまりに強い副作用は本人も家族も辛いです。

母はタルセバを1か月ほど服用していますが、以前から言われている皮膚への影響や爪への影響はイレッサほどはありません。
母はイレッサの頭皮のただれには泣かされましたから。タルセバはニキビがちらほら程度です。
ただ吐気、嘔吐が一日に1~2回くらいあります。これは脳転移のせいなのか、薬の副作用なのか不明です。服用してしばらくすると吐気があるので、副作用のように思いますが。しばらく寝ていると治まる程度です。
イレッサが奏効されていたのでしたら、試す価値はあるかもしれません。新薬ですので慎重にしなければなりませんが。

以前のご質問の骨転移については、母は2カ所ありました。4年前に腰の骨、2年前に脊椎です。どちらも放射線で治療しました。仙骨は大きさは変わらず今もあります。胸椎の方は消滅しました。幸いにも特に痛みもなくそれ以降骨転移はありません。今は月1回、骨転移予防のため「ゾメタ」の点滴をしています。

ぽんさんのお母様の治療に少しでもお役に立てれば良いのですが・・・。

匿名 さんのコメント...

ぽんさん
私も同じ気持ちです。
ぽんさんのブログを拝見するたびに、一人じゃないんだと励まされます。
一緒に頑張りましょう!!
ぽんさん元気出してね!

匿名 さんのコメント...

初めてコメントさせて頂きます。
私の母も昨年末に肺腺癌Ⅳ期を宣告されました。現在は抗癌剤で治療中ですが、近々イレッサに変更する予定です。
母は症状が悪化し弱気になるといつも「つらい思いをするぐらいなら、早く死んでしましたい。」と言いますが、やはり家族としては一日でも長く生きていてほしいと思います。
しかし弱気になっている母を見て「つらくても頑張れ」とはとても言えません。
こちらのブログを拝見して、みんな同じ気持ちなんだと思うととても励まされます。
一緒に頑張りましょう。

ぽん さんのコメント...

>茂木さん
初めまして!コメントをありがとうございます。お母様はイレッサ服用中との事、効果や副作用はいかがですか?こちらこそコメントを頂ける事でとても励まされております。どうかお母様の治療がうまくいきますように。

>ヒロさん
そうですよね、一人じゃ無い!力強い言葉をありがとうございました。
普段気を張っているのか、不意に超ネガティブモードに入ってしまう時があります。どうか弱音を許して下さいね。

>ちびちびさん
そうなんです、本当にどうどう巡り。一番辛いのはやっぱり本人な訳ですから、どのように残りの人生を過ごしたいか、という話をいつかはきちんとしなくてはいけないのだと思ってはいます。
お母様はイレッサの副作用で頭皮がただれたとか。母は9ヶ月服用しましたが爪が割れたり、下痢が慢性的になったりというような副作用でした。本当に人それぞれなのですね。
お母様にタルセバが効果が上がっている様子、そう聞くだけで心強く感じます。
ただ吐き気などの副作用はお辛いですね...。生きている為に受け入れなくてはいけない諸副作用、本人で無ければ分からない苦しさや矛盾があるのだと思います。

また骨転移の治療情報をありがとうございました。
母の場合は肺の原発が背骨近くにあるとの事、今村先生曰く、一番懸念すべきは肝転移よりも背骨への骨転移だそうです。
それでも対処出来る治療がある事が分かり、希望が持てました。ありがとうございました。
どうかお母様、お大事になさって下さい。

>あやさん
ありがとうございます!!本当に嬉しいです。
お互い自分自身の健康にも気を付けつつ頑張りましょうね。

>匿名さん
初めまして!お母様もそんな事をおっしゃるのですね。我が身に置き換えれば本当にそうだと思ったりもしますが、良い方向に進む可能性がある薬があるのならば試して欲しい、とやはり思ってしまいます。東洋人、女性、非喫煙者ならばイレッサの奏効群だと思います。どうかお母様に効果がありますように。
一緒に頑張りましょう。

匿名 さんのコメント...

ぽんさん

その後お母様の副作用の方はいかがですか。
最近は気候も寒暖の差があり体調を崩しがちになりますが、どうか大事になさってください。

母の様子です。先週末に念願の外泊がようやく実現しました。
母が自宅へ帰るのは約2ヶ月半振りとなります。本来だったら久しぶりに家族が集まって、、、というところなのかもしれませんが、今回は本人の意向で父と母ふたりだけで過ごすことになりました。母も帰宅した時の〝感じ〟がつかめないこともあっての判断だったと思います。帰った日は環境の変化かからか疲れたようで早めに就寝したようですが、一晩寝て翌日は体調も回復しふだん病院ではあまり進まない食事も完食できたようでやはり自宅の効果は大きいと感じました。
今週第6回目(実質3回目)の点滴を予定していますが、今回の(わずか1泊ですが)外泊が活力となって乗り切ってくれることを願うばかりです。

ぽん さんのコメント...

>ヒロさん
お母様が外泊されたとの事、良かったですね!ご両親だけで静かに過ごされたのですね。精神的な充足が大きく病状に影響すると思います。まさに今後の治療の活力になっていく事でしょうね。その後お父様のご様子はいかがですか?
母は相変わらず副作用が心身共に辛いようです。近日中に精神科の受診も始まります。薬ばかりになってしまいますが、少しでも楽になれればと思っています。